パソコンから変な音がする……。そんなときは、故障の前兆かもしれないと思って不安になりますよね。
パソコンの中には、データを記録しておくために必要なハードディスクと呼ばれるパーツが入っています。そのハードディスクに異常が起こると、「カチカチ」「ガガガ」など普段とは違う異音が発生することがあるのです。
今回は、パソコンのハードディスクが起こす異音と、その原因についてご説明します。自分のパソコンの異常にお悩みの方は、原因を特定する指針となるかもしれません。
目次
普段と異なる異音が生じた場合、考えられる原因は主に2つ
日頃よくパソコンを使う方であればあるほど、普段とは違う異音には気づきやすくなります。
パソコンから異音が発生する原因には、おもに2つあります。
① ハードディスクの記憶媒体に異常が生じている
ハードディスクはパソコンのパーツの中でもとても大切な記憶媒体です。プラッタと呼ばれる薄いディスク状のパーツが入っており、そこにデータを書き込むことで情報を蓄積させることができます。
この部分に異常が発生する場合、多いのが「磁気ヘッド」や「セクタ部分」です。データを読み出し、書き込むための磁気ヘッドと、データを記録し残しておくためのセクタ部分が壊れると、データそのものが破損します。
とくに磁気ヘッドの不具合は、パソコンから発生する異音の原因としてはメジャーです。
② ハードディスクの記憶媒体以外の部分に異常が生じている
パソコンの内部には、ハードディスク以外にもたくさんの重要部品が入っています。それらの中でも異音の原因になりやすいものがあるのです。
ハードディスク以外の原因で異音が発生しやすいのはファンです。ファンは扇風機の羽のような部品で、パソコンが稼働するうえで発生する熱を冷ます役割をもつものなど、いくつかのファンが組み込まれていることがあります。
ファンの場合は、ほかの部品と触れ合っていると異音が起こります。もともと組み立てなどの時点で不具合の原因があることもありますが、長年使用しているパソコンでは経年劣化による変形が起こってほかの部品と接触することもあるので、注意が必要です。
たまにではありますが、パソコン内のコイルも異音の原因になります。コイルの場合は接触というよりも、ノイズを発生させるという意味で異音という症状が起こります。物理障害があって出る異音でなくても、故障の可能性を疑いましょう。
故障前に思い当たる原因がないか考えてみる

パソコンの異音となるような故障には、一定の原因があるものが多いです。パソコンは想像以上に繊細な機械なので、安易に衝撃を与えたり、手荒に扱ったりすると、思わぬダメージを与えてしまうことも少なくありません。
以下のようなケースが、パソコン故障の原因につながるものです。故障が起こる前の自分のふるまいを思い出し、心当たりがないか確認してみましょう。
- ・ハードディスクを落とす、叩くなどして衝撃を与える(特に起動中)
- ・データの読み書きの途中でケーブルを抜く、電源を切る
- ・何年も同じパソコンを使用している
パソコンは消耗品なので、どれだけ綺麗に正しく使用していてもいつかは必ず壊れます。ハードディスクに不具合が発生し始める時期を考慮すると、パソコンの寿命はおよそ5年ともいわれます。
長く使っていると自然と性能が低くなってくるのも当然で、動きが鈍くなったことにイライラしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、だからといって叩くなどしては、パソコンの寿命をますます縮めるだけになります。
衝撃を与えないよう、大切に使うことが大切なのです。
故障したら無理な起動は避けましょう
パソコンの調子が悪くなるとやりがちなのが、再起動などをくりかえしてしまうことではないでしょうか。
いつまでたっても起動しないパソコンに焦れて、何度もシャットダウンしてあらためて電源を付けてみたり、再起動を繰り返したり。そういった行動も、パソコンの寿命に大きく影響するので絶対にやめましょう。
頻繁な再起動がパソコンの寿命を縮め、HDDを痛めてしまうことになります。とくによくないのは、シャットダウン後すぐに電源を入れることです。HDDにかかる負荷が大きくなるので、パソコンの消耗が早くなってしまいます。
なかなかパソコンが立ち上がらない。そんな状態がみられたらは無理な起動を控え、すぐに業者に連絡して修理してもらいましょう。
逆に、パソコンの故障によって何度も再起動を繰り返してしまう場合も同様に、電源を切ってなるべく余計なことはせず、データ復旧業者を頼るのが得策です。
あまりにもパソコンの損傷がひどいと、業者の手でもデータを復旧できなくなるので、大切なデータがある人ほど、すぐに業者へ依頼することが大切です。
突然の故障で困らないためにしておくべきこと

突然パソコンの故障が起こっても困らないように、普段からしておくと安心なことは、以下の通りです。
- ・データのバックアップを取っておく
- ・新しいHDDへ早めに交換する
古くなったパソコンや、動きが遅くなったと感じるパソコンのデータは、なるべく早くバックアップしておきましょう。
また、パソコンから異音が起こった際の応急措置としては、
- ・外付けのHDDなどはすぐに電源を切って、何にもつながず通電させずに放置しておく
- ・バックアップをすぐにとる
- ・フリーソフトなどを使ってHDDの現状を確かめる
外付けHDDを隔離しておくのは、パソコンの異常の原因がウイルス感染かもしれないからです。ウイルス感染の疑いが晴れるまでは、ほかの媒体にはつながないことが大切です。
パソコンはいつか使えなくなるものだということに留意して、動作が鈍るなど劣化の兆候が見られたら、データの保護をするようにしましょう。
まとめ
パソコンの異音はほんの小さな異常のように見えて、じつは深刻な問題が根元にある場合があります。パソコンにとって重要なパーツの故障の場合は、パソコンのみならずデータの死活問題でもあるので、すぐに対策が必要です。
パソコンなど電子機器に慣れた人の中には、自分でHDDを交換するなどの対処ができる方もいます。しかし、それらの作業に不慣れだったり、多少なりとも不安があったりする方は、絶対に自分では解決しようとしないで、プロに任せましょう。
大切なデータを守るために、パソコンの異音を甘くみず、しっかりと対策することが重要です。