パソコンデータのバックアップ、取った経験はありますか?バックアップとは、簡単に言えば「パソコン内のデータを複製して残しておく」ことです。定期的にバックアップを行っていくと、万が一パソコンが壊れてしまったときにも復元できるようになり、バックアップの仕方次第では本体を変えるときや他のパソコンでデータを閲覧するときに便利になり、よいことばかりです。
しかし、バックアップを取ったことがある方は「毎回取るなんて面倒だ!」と一度は考えたことがあるはず。実際にバックアップを取り始めたとき、残したいデータが多いほど時間がかかります。近年では、画像・写真や動画の4k・8kといった高画質化にともない、パソコンのデータの容量が従来よりもさらに膨大になりつつあります。
では、ストレスなくパパっとバックアップするには、どのような方法にしたらよいのでしょうか?今回はパソコンのバックアップを取る方法3つをわかりやすく解説していきます。ほかにも、バックアップにおすすめ記録媒体を6種類ご紹介します。
「バックアップの取り方がわからない」方から「ストレスのないバックアップの取り方」を知りたい方、そして「記録媒体は結局なにがよいの?」と疑問をお持ちの方は必見です!Windows、Macでのデータ保存のすべてがココにつまっていますので、バックアップを取る際は、ぜひ参考にしてみてください。
【WinPC】パソコンのデータをバックアップする方法
WindowsPCでのデータのバックアップ方法は、おおまかに分けると3つあります。
・手動で「標準機能」を使用してバックアップする
・手動で必要なフォルダだけをバックアップする
・自動で定期的にバックアップをする
それぞれメリットやデメリットがあります。バックアップの手順とともに確認していきましょう。
【手動で確実!】バックアップ機能を使って、ほしいものだけを保存する
Windowsパソコンのデータをバックアップしたいとき、パソコンに備わっている機能を使用して取ることができます。
○ 標準装備の機能なので安心して使用できる
○ ファイルorシステムイメージor全部など、用途に合わせてバックアップしやすい
× バックアップするのに時間がかかる
いちばんのメリットは自分の手でバックアップを取るので自由度が高いことです。Windowsに搭載されている機能を使用しますが、フルバックアップはもちろん、ファイルだけバックアップしたいなどを選択することもできます。
また、同じような機能を持つフリーソフトや有料ソフトもあります。標準ソフトの場合、最低限のシンプルなバックアップが可能です。もっと細かく設定を行っていきたいのならば、フリーソフトもしくは有料ソフトを使用していく必要があります。
ただし、フリーソフトに関しては気をつけるべきことがあります。無料で使用できるため活用していきたいところですが、ごくまれに安全ではないソフトがあるのです。そのため、使用するデータが重要なものであれば有料ソフトを使用することをおすすめします。無料のソフトは自己責任で使用するかどうか判断してください。
Windows標準のバックアップ方法は以下の通りです。
1. 「バックアップと復元」を開く
“スタートメニューで右クリック” もしくは “スタートメニューの検索に入力” でコントロールパネルを開きます。 各メニューの中から「システムとセキュリティ」を選びます。その後、「バックアップと復元」を選択します。
2. 「システムイメージの作成」を選択して指示に従う
「システムイメージの作成」をクリックしてすぐにユーザーアカウント制御によってユーザー名とパスワードが問われることがあります。もし、確認のポップアップが出たら、入力するようにしましょう。その後、手順にそって選択していくことでバックアップの準備が整い、順次バックアップが開始されます。
【手動で短時間】難しい知識一切なし!誰でもできる方法
「上記のバックアップの説明ではわからない」、「できるだけ短時間にしたい」、「バックアップしたいファイルが少ない」このような場合は、今からご紹介する方法がおすすめです。
方法はとても明確かつ単純で、「ファイルをコピーして記憶媒体に貼り付けるだけ」です。つまり、記憶媒体をパソコンに接続し、残したいファイルの上で「右クリック→コピー」し、保存先のファイルで「右クリック→貼り付け」をするだけです。この方法ならば、パソコンを振れたことがある人なら一度は経験あるのではないでしょうか?
○ 手順が非常に簡単で、誰でもいつでもできる
○ 少ないデータのバックアップなら時間がかからないうえ、自由度が高い
× バックアップしたいファイルが多いと時間がかかる
最大のメリットは、上記でも挙げた通りどなたでもしやすい方法という点でしょう。操作になかなか慣れることができないとこまっているのであれば、このようにコピー&ペーストを使用した方法がおすすめです。保存するデータ量が少ないならば、USBメモリなどの小さな端末にも保管しておくことができますし、データの出し入れも非常に簡単です。
ただし、バックアップしたいデータがたくさんあったり、ファイルの配置が複雑な状態であったりするとバックアップに余計な時間がかかる場合があります。バックアップ取っているのにもかかわらず、間違えてさらに上書きしてしまい時間が余計にかかるほか、残しておきたいファイルを上書きしてしまうこともありますので気をつけましょう。
【自動で手軽に】パソコンを使わないときにフルバックアップする
上記のようにパソコンのバックアップの方法以外として、自動で行う方法があります。近年注目を浴びているデータのバックアップ方法で、手動とは異なるよさがあるのが特徴です。
○ 時間設定できるので、パソコンを使用しないときにバックアップできる
○ 定期的にバックアップしてもらえるので、バックアップし忘れがない
× バックアップ先にある程度容量が必要
自動バックアップの最大のメリットは、バックアップのことを気にしなくてよくなることです。バックアップは定期的にとっておくと安心ですが、何分時間がかかる作業になることが多く、煩わしく感じる人が多いかもしれません。
自動バックアップの場合、仕事やショッピングなどの外出中や就寝中などでも自動で行ってもらえるので、バックアップのことを気にしなくてもよくなります。
その反面、自動でバックアップを取っていくので、バックアップ先にある程度容量が必要となります。xx日前の状態に戻したいと思っても、バックアップ先の記憶媒体の容量が足りないと古いものから上書きされてしまうので、残っていない…というケースも起きてしまうかもしれません。
バックアップしたデータから復元する方法
パソコンが故障してしまい、復元が必要になったときは以下の手順を行うことで復旧することができます。ただ、実は復旧するにあたって回復ドライブも用意する必要があります。
回復ドライブとは、別名リカバリディスクとも言い、パソコンのシステムを初期に戻すディスクです。このディスクはパソコン購入時に付属しているものを使用できるほか、正常に稼働する状態のときに作成することができます。
しかし、パソコンごとにリカバリディスクは異なります。使いまわしはできないので、かならず1枚は用意しておきましょう。リカバリディスクは少なくとも16GBほどは使用するため、それ以上の容量のある空のメモリを用意する必要があります。
リカバリディスクの作成方法
1. スタートメニューの検索画面で「回復」と入力して開く
2. 管理者(ライセンス)のユーザー名とパスワードが求められた場合は記入する
3. 手順にそって作成する
※「回復パーティションを削除」するは押してはいけません。
システムイメージをバックアップファイルから元に戻す方法
1. パソコンを起動後、F12(F7)でシステムを起動する
2. 回復ドライブを起動し手順にそって選択する
3. 途中のオプション選択画面で「システムイメージから回復をする」を選ぶ
※使用するパソコンによって手順が変化する可能性がありますので、マニュアルをご参考ください。
【MacPC】パソコンのデータをバックアップする方法

MacPCの場合、「Time Machine」を使用してバックアップを取ることができます。消してしまったファイルのみの復元や、まるごとすべて保存しておくこともできるため、目的に合わせて選択しておくことが可能でしょう。
消してしまったファイルを戻したい場合
1. 消してしまったファイルと同じウインドウを立ち上げる
2. 「Time Machine」を起動し、復元したいファイルを見つける
3. 右クリック→復元
まるごとすべて戻したい場合
1. PCを起動後すぐにcommandとRキーを同時に押してOSの画面を立ち上げる
2. 「Time Machine」のなかから元に戻したいファイルを選択してリカバリされるまで待つ
バックアップ先の機器はどうする? おすすめ6選!

バックアップを取るための記録媒体はさまざまです。ここではメジャーな記録媒体を紹介していきます。それぞれのメリットを知り、扱いやすいものを選ぶようにしましょう。
NAS
NASとはネットワークを経由して使用するHDDのことで、簡単に言ってしまえば、「サーバーにバックアップする」ということになります。
通常のHDDはつないだパソコンのみアクセスが可能ですが、NASの場合、インターネットを経由しているので他のPCからでも簡単に接続できます。LANを経由しているので、パスワード設定されているネットワークならばパスワードがわからないと接続できないようになっています。
無線もしくは優先LANにつないでしまえばアクセスが可能なので、データの出し入れの利便性がよいです。PCを頻繁に利用する人や動画を家族で共有したいときにも便利といえます。
外付けHDD
外付けハードディスク(外付けHDD)は記憶媒体のなかではもっともメジャーで、デスクトップPCやレコーダーなどについています。そのHDDが専用のケースに入っており、USBなどでパソコンや家電製品につなげられるようになっています。
HDDのよい点は、コストパフォーマンスに優れていることです。販売されているものの容量も多く、大量のデータを保管するのに非常に向いています。
ポータブルHDD・SSD
ポータブルHDD、SSDというものは外付けHDDよりも小さいタイプの記憶媒体です。外付けHDDは大きく重たいので、持ち運びには向きませんが、ポータブルタイプだと、ノートパソコンなどと一緒に持ち運ぶことができます。
ポータブルタイプのHDD・SSDは、おもにノートパソコンに使用されている記憶媒体になります。SSDはHDDに比べて出始めて新しいです。費用が高価な代わりに壊れにくく、転送速度が速い傾向にあります。
Blu-ray・DVD
動画やソフトを保存してある印象の強いBlu-rayとDVDですが、じつはバックアップとしても使用できます。ディスクタイプなので保管しやすく、他の記憶媒体と比べて丈夫なところがメリットといえます。
Blu-rayの最大容量は2層で50GB、DVDは17GBほどあります。また、繰り返し書き換え可能なタイプはやや値が張りますが、他の記憶媒体のように扱うことができて便利です。
USBメモリ
一般的に使用されている小型のメモリです。USB端子に接続するだけですぐにあつかえるうえ、小さいので携帯するのに非常に便利です。
形はさまざまで、親指の爪ぐらい小さいメモリや、従来の長いタイプ、microSDカードを差し込むタイプもあります。ただし、小型ゆえにHDDほど大容量のものはなく、データの転送速度はやや控えめです。
オンラインストレージ
オンラインストレージとはインターネット上のクラウドにデータをバックアップできるシステムです。自宅に記憶媒体を用意する必要がないので気軽に始めることができます。
ただし、インターネット回線を使用するので、使用中はインターネットの接続が遅くなったり、保存できる量が少なく、月額がかかったりするというデメリットがあります。
どれにしたらよいかわからなくなったら、ここに注目!
● データを持ち運ばない、自宅しか使わない、コスパ重視 → 外付けHDD・NAS
● コスパを気にしつつ、持ち運びもしたい → ポータブルHDD
● 丈夫なものがよい、転送速度重視したい → ポータブルSSD
● 持ち運びが便利な方がうれしい、気軽にあつかいたい → Blu-ray・DVD、USBメモリ
● ちょっとしか保存しない、自宅に記憶メディアがない → オンラインストレージ
このように、使用目的に合わせて保存先を選ぶとよいです。
まとめ
データのバックアップを簡単に行う方法は、おもに3種類です。ご自身にあった方法で挑戦してみましょう。
どの記憶媒体にも長所と短所があります。データのバックアップはデータの重要性に合わせて1か所での保管を避け、別々のものにバックアップを取っておくことが大切です。いざバックアップのデータが必要になったときに、うまく保存されていなかったら、せっかくの対策がすべて水の泡となってしまうことになるかもしれません。
データがなくなってしまったらどうしようとパニックになってしまう方も多いかもしれませんが、実は失ったデータを取り戻すことができる場合があります。データの復旧を手がける業者ならば、壊れてしまったメモリからもデータを取り戻せる可能性があるので、いちどお問い合わせをしてみるとよいでしょう。