パソコンの容量を簡単に増やせる外付けHDD(ハードディスクドライブ)は生活や仕事になくてはならないもののひとつ。しかし、ハードディスクはパソコンが認識しないというトラブルが多くあります。
ハードディスクはとても精密な機械ですが、パソコンが認識しないトラブルがおきたときには、自分で直すことが可能な場合もあります。まずはご自身でできる方法を試してみましょう。それが不可能であれば専門業者への依頼を検討するのがよいかもしれません。
今回の記事では、自分でできるハードディスクトラブルの解決法をお伝えしていきます。まずは簡単に試せる方法から、少し変わった方法、どうしても直せないときの最終手段まで幅広くご紹介していきます。
目次
簡単にできる!ハードディスクが認識されないときに試したい4つの項目
外付けHDD(ハードディスクドライブ)を認識しないときには、まずご自身で試せる範囲で直すことができるか確認をしましょう。場合によっては簡単に直せることもあります。
まずはパソコン側から認識できているか確認!
まず確認したいのはハードディスクをパソコンがデバイス(関連機器)として認識しているかどうかです。もし、パソコンへの接続が適切におこなわれていなければ、パソコンはハードディスクが接続されていることを認識できません。
以下の確認方法はウィンドウズ向けの方法です。いちど確認をしてみるのがよいでしょう。また、確認をする前にはパソコンに接続する機器を確認したいハードディスクのみにしておきましょう。
はじめにウィンドウズのスタートボタンをクリックします。次に画面に表示されたなかから「マイコンピュータ」を右クリック、プロパティを開きます。
「ハードウェアタブ」をクリックすると「デバイスマネージャ」のボタンが出ます。「デバイスマネージャ」のなかに下記の表示があるか確認しましょう。
- ・大容量記憶装置デバイス
- ・ハードディスクの型番や商品名
上記の2つがデバイスマネ―ジャに表示された場合は、ハードディスクに問題はありません。
一方、デバイスマネージャになにも表示がなければ、パソコンがハードディスクを認識していないことが考えられます。そのときには下記のことを試してみるのがよいでしょう。
【1】ハードディスクの電源が「ON」になっているかどうか
ハードディスクの電源が付いているか確認します。外付けタイプのハードディスクの場合、電源スイッチがあるものも存在します。ボタンを押し忘れていないかどうか、確認してみましょう。
【2】ケーブルの接続状態を確認
ACアダプタ(電源用のコンセントケーブル)の接続状態を確認します。接触不良で認識されていない可能性もありますので、コンセントへの抜き差しをおこなってみてください。また、延長ケーブルを使っているときは使用をやめ、直接コンセントに差し込むと直ることもあります。
USBケーブルの抜き差しもおこなってみましょう。ハードディスクはUSB経由で少量の電気をもらって動いているものがあります。また、USBポート(差し込み口)を変えると改善することもあります。場合によってはケーブルの断線などが原因で認識されない可能性も考えられますので、新しいケーブルがあるならば試してみるのもよいでしょう。
【3】ハードディスクから「変な音」が聞こえていないか
ハードディスクにはディスクが入っていますから、正常時でもディスクの回る音がします。しかし、ハードディスクから出る音が「ガリガリ」としたものであれば故障している可能性があります。また「ピッピッピ」といった音も同様に故障の可能性があります。
こうした音がハードディスクからするときは、コンセントの差し込み口を変えてみる、もしくは別のパソコンで確認してみましょう。ハードディスク自体の向きを変えてみると改善することもあります。
また、USBの差し込み口を増やすハブを使っている場合は、直接パソコンに接続し直すことで音がしなくなることもあります。
【4】ドライバに原因があることも
「ドライバ」とはパソコンとハードディスクをつなげるためのソフトのことです。ドライバはパソコンに標準で付いているものが自動で動作してくれるので、ハードディスクをパソコンに接続した際に特別な操作が必要になることはありません。
まれにこのドライバが正常に動作していないことがあります。ドライバの確認はこの章の前述したデバイスマネージャですることができます。
デバイスマネージャ内のハードディスクの表示横に「!」や「?」マークが出ている場合は、ドライバに問題がある可能性があります。これらの表示が出ているときはマークの付いたデバイスを選択し削除しましょう。
削除してもドライバは自動的に再インストールされます。削除から数分待ち、あらためてハードディスクをパソコンに接続しましょう。この処理をおこなうことで、ハードディスクが認識されることもあります。
もし、この方法を試してみて認識されなければ、問題はドライバではなく、ほかの部分にあるということになります。
意外な方法で対処できるかも?認識されないときに試してみたい方法

前章で紹介した方法でもパソコンがハードディスクを認識しないときは、意外な方法でハードディスクの問題を解決できることがあります。しかし、これらの方法を使ってもハードディスクが確実に直るとは言い切れません。試すときは必ず準備をし、自己責任でおこなうようにしてください。
ハードディスクをぶんぶん振り回してみる
ハードディスクは振り回すと直ることがあります。袋に入れて1分くらい遠心力をかけるように振り回しましょう。ハードディスクは緩衝材で丁寧に包み、そのうえからタオルを巻いて壊れないように万全の対策をしてください。また、投げることがないように注意してください。
冷やす・暖める
ハードディスクを冷やす、もしくは暖めることで問題が解決することもあります。
まず、冷やす際はハードディスクを1日冷凍庫に入れ、その後1日かけて自然解凍します。冷凍庫に入れる際は、ハードディスクが濡れないようにジッパーの付いた梱包材で覆い、解凍時の結露対策に乾燥剤を入れるようにしてください。
ハードディスクは結露などで濡れると故障の原因になります。濡れないようにしっかりと管理・対策をしましょう。
また、ハードディスクを暖める方法ですが、こちらはコタツ、もしくはドライヤーを使います。
ハードディスクをタオルで包み、コタツを使う場合は3~4時間暖めます。ドライヤーを使う場合は周りをダンボールなどで囲い、穴を開けて温風を送って暖めます。このとき必ずハードディスクの電源は抜いておきましょう。こちらも故障の原因になります。
これらの方法は一見トリッキーですが、ハードディスクが直るケースもあるようです。しかしハードディスクが故障してしまう可能性もありますので、試す際は自己責任でおこなうようにしてください。
それでもハードディスクが認識しない!最後に試したい方法とは…?
いろいろな方法を試してみたけど、パソコンがハードディスクを認識しない。そんなときの最終手段が「データ復旧ができるソフト」と「ハードディスクのフォーマット」です。
データ復旧できるソフト
データの復旧ができるソフトを使えば、パソコンが認識していないハードディスクからでもデータやファイルを取り出すことができます。しかし、ハードディスクの状態を改善するものではないため、ハードディスク内のデータを取り出したいときのみの方法です。
データのフォーマット
フォーマットをするとパソコンがハードディスクを認識することがあります。
しかし、フォーマットはハードディスク内のデータが全て消えてしまう作業です。データが不要でハードディスクを認識させることができればよいという人にはおすすめの方法ですが、ハードディスク内のデータやファイルがとても大切なものであれば避けたほうがよいでしょう。
また、フォーマットは新品のハードディスクを購入した際や、マックからウィンドウズなど、パソコンのOSを変えて使いたいときにも必要です。
ここではウィンドウズ向けのフォーマットの手順を紹介していきます。
- ・トップのスタートボタンから「コンピューター」の「管理」を開く
- ・「コンピューターの管理」から「記憶域」を選択、「ディスクの管理」を開く
- ・フォーマットしたいハードディスクの「ディスク」を選択し「ボリュームの削除」を実行
- ・ディスクが「未割り当て」の状態になったら「新しいシンプルボリューム」を選択する
- ・画面指示に従って進め、最後に完了を選択するとフォーマットが完了
- ・完了後にディスクの「未割り当て」が「正常」になっているか確認する
余談ですが、ハードディスクのパーティションと呼ばれる区分けをおこなうときも、この画面からおこないます。パーティションはハードディスク内の記憶領域を仕切るもので、パソコンでいうフォルダのようなものです。
データを失いたくない…!そんなときは業者に依頼するのがオススメ

適切な処置をすることで、パソコンがハードディスクを認識しない状態から直すことは可能です。しかし、パソコンに不慣れな方や、ハードディスク内のデータやファイルがどうしても必要な人は、データ復旧の専門業者に依頼したほうが無難でしょう。
自分でハードディスク内のデータ復旧をおこなった場合には、消えたデータが二度と復旧できないケースもありえます。万が一にでも大切なデータを失わないためには専門業者への依頼を検討するのがよいでしょう。
まとめ
パソコンがハードディスクを認識しないのは大きなトラブルです。自分で試して直せるケースもありますが、本格的な故障ではご自身で直すことができないこともあります。
ご自身でハードディスクのトラブルを解決しようとした場合には、失ったデータが元に戻らなくなってしまうこともあります。少しでも不安がある人は専門業者への依頼を検討するのがよいでしょう。
ハードディスクはとても便利なものですが、場合によってはとても厄介なものになってしまいます。大切なデータを失くさないためにも安全な管理や、修理方法を選ぶようにしてくださいね。